スタッフブログ
薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。
アプロママ特集
薬剤師の仕事・キャリア
2024.12.13
■アプロママ特集 パート薬剤師・派遣薬剤師は時短勤務でも働けるの?
- 薬剤師
- 派遣
- パート
- 働き方
- 仕事
- アプロ・ドットコム
- 短時間勤務制度
- 時短
「子育てと仕事の両立のために時短勤務にしたい」「保育園や幼稚園からの呼び出しで職場に迷惑をかけたくない」「子どもの帰宅時間が気になる」など、子育てをしながら働くママには悩みがいっぱい。子育て関連のニュースで「育児のための短時間勤務」という言葉を見聞きし、制度が気になっている人も多いでしょう。
実は育児・介護休業法が2009年に改正され、企業には短時間勤務制度を設けることが義務付けられています。時短勤務というと、フルタイムの人しか利用できないイメージがありますが、パートや派遣社員でも短時間勤務は可能なのでしょうか。今回は、派遣薬剤師やパート薬剤師の時短勤務について紹介します。
目次
育児・介護休業法の短時間勤務制度とは
育児・介護休業法の短時間勤務制度は、男女ともに子育てや介護をしながら働き続けることができるように、2009年に誕生しました。「時短勤務」と呼ばれることもあります。
短時間勤務とは、所定の労働時間が1日7~8時間のところを6時間にすること。1日の勤務が6時間になるため、子育てや介護にかける時間を増やすことができ、保育園への送迎、病院への付き添いなどがしやすくなります。また、「特定の1日の労働時間を7時間とする」「隔日勤務にする」といったことも可能です。
この制度は従業員全てに適用されるわけでなく、下記の条件を全て満たす男性・女性が対象になります。
・3歳に満たない子どもを養育する労働者
・1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
・日々雇用される者でないこと
・短時間勤務制度が適用される期間に育児休業をしていないこと
・労使協定により適用除外とされた労働者でないこと
企業は労使協定によって、下記の条件に当てはまる人を適用除外にできます。そのため、職場でどのような労使協定が結ばれているか確認することが大切です。
・雇用期間が1年に満たない労働者
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
・業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
業務上、短時間勤務が難しい場合は、企業側が代替措置を取る必要があるため、他の方法で配慮されるようになっています。
なお、薬剤師の求人では短時間勤務制度が整っている企業が多い傾向です。産休・育休制度や子育てしながら働くママをサポートする福利厚生が充実しており、働きやすい環境が整っている企業もあります。
条件を満たせばパート・派遣でも短時間勤務が利用可能
一般的に正社員は条件を全て満たしていることが多いため、短時間勤務制度を利用できることがほとんどです。子育てと両立しながらキャリアを積みたい、正社員の待遇を手放したくない人はぜひ利用したいですね。
正社員の制度のようなイメージの短時間勤務制度ですが、パート・派遣でも条件を満たしていれば利用が可能です。まずは、1日の所定労働時間が6時間を超える契約になっているかを確認しましょう。たとえば、1日の所定労働時間が7時間の契約になっていた場合、子どもが3歳未満で勤務期間が1年以上、週3日以上勤務していれば、短時間勤務制度が利用できます。
所定の労働時間が6時間以下の契約になっている場合は、短時間勤務制度は利用できません。ただし、パートの場合は、希望の時間、日数で働ける契約で働いたり、派遣社員として働いたりすることで時短勤務が実現できます。
子どもが3歳以上でも短時間勤務制度が使える企業もある
短時間勤務制度は「子どもが3歳になるまで」と法律で規定されており、原則として、子どもが3歳になったらフルタイム勤務に戻らなければいけません。
とはいえ、3歳の子どもを育てながらのフルタイム勤務は大変なもの。また、子どもが小学生になっても、学童の終了時間が早かったり、夏休みなどの長期休みの預け先がなかったり、親の参加が必要な行事があったりするため、忙しさは変わりません。「小1の壁」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
さまざまな状況により、短時間勤務制度が利用できなくなるタイミングで、正社員からパートに切り替えたり、退職したりする人が増加しています。そのため、大手ドラッグストアや調剤薬局チェーンでは、ママ薬剤師の離職を防ぐために、子どもが小学校に入るまで、小学校3年生まで、中学1年生になるまでなど、法律を上回る条件を提示しているところがあります。なお、3歳という条件を上回ることは法律上問題ありません。
将来的に出産や育児を考えており、仕事も長く続けたい場合は、少しでも長く短時間勤務を利用できる会社を選ぶと良いでしょう。
時短勤務で働くメリット
育児との両立がしやすい
時短勤務の最も大きなメリットは、「育児と仕事の両立がしやすいこと」です。フルタイムで働くと、限られた時間のなかで育児と家事をこなさなければなりません。しかし、仕事時間が短くなれば、時間に余裕が生まれ、子どもとゆっくり向き合う時間を増やすことが可能です。子どもの成長はあっという間なので、近くで成長を見守ることができる時間はかけがえのないものですね。
子どものケガや病気で通院するのもフルタイム勤務では難しいもの。通院のたびに早退したり、仕事を休んだりしなくてはなりません。時短勤務なら診察時間内に受診できるため、仕事への支障が少なく済むでしょう。
プライベートの時間を作れる
フルタイム勤務のママ薬剤師は時間に追われ、プライベートの時間がほとんどありません。1日8時間の勤務をするため、休憩や通勤時間を加えると、自由時間がどんどん減っていきます。睡眠時間が7時間の場合、残された時間はだいたい6時間~8時間。その間も子どもの送迎や買い物、食事の準備、入浴、子どもの寝かしつけ、掃除などをこなさなければなりません。
休日は平日の分まで、子どもと遊んだり、出かけたり、勉強のサポートをしたり、平日にやりきれなかった家事をする必要もあり、自由時間はなかなかとれないでしょう。
時短勤務にすれば毎日の生活にゆとりが生まれ、プライベートの時間を作りやすくなります。育児や家事以外に、趣味やスキルアップのための時間を増やすこともできるでしょう。もちろん、時短勤務にしても劇的に自由時間が増えるわけではありませんが、心身ともに余裕ができるのではないでしょうか。
時短勤務で働く際の注意
ママ薬剤師にはメリットが多い短時間勤務ですが、気をつけておきたいポイントが6つあります。
収入が減少する
労働基準法が定める「ノーワーク、ノーペイの原則」により、短縮した時間の給与は支払われないことが一般的です。勤務時間が8時間から6時間になった場合、2時間分の給与は支給されないため、収入が減ってしまいます。月給制の場合は2時間分にあたる25%がカットされて支給されることが多いようです。
仕事へのモチベーションが下がる
短時間になることで、今までに比べて対応できる業務が限定されたり、業務内容が変化したりすることがあります。その結果、仕事が単調になった、責任の重い仕事を任せてもらえないといったことが増える可能性も。人によってはモチベーションが下がってしまうかもしれません。
人間関係に悩むケースもある
チームで働くことが多い日本では、誰かが短時間勤務制度を利用することで他の従業員がフォローしなければならないことが多いもの。時短勤務をしていない人が多くの仕事をすることになり、部署内に疲労や不満が溜まりやすくなる可能性があります。
時短勤務は条件を満たせば誰でも利用できる権利ですが、制度への理解が乏しい職場では人間関係のトラブルに発展することもあるので注意が必要です。過去に時短勤務をしていた人がいる職場や、育児中の薬剤師がいる場合は理解を得やすいでしょう。
人間関係のトラブルを防ぐためには、短時間勤務制度を利用している人が感謝を伝えるなど、フォローしてもらって当たり前という態度を取らないことが大切です。
全ての企業が導入しているわけではない
厚生労働省の令和5年度雇用均等基本調査によると、育児のための短時間勤務制度を設けている事業所の割合は 61.0%という結果でした。令和4年度の調査では71.6%であったため、10.6ポイント低下していることがわかります。現在勤めている企業で導入されていない場合は、転職を検討してみても良いかもしれません。
使いやすい環境かの見極めが必要
短時間勤務制度はあったとしても利用しづらい環境だと、なかなか言い出せない可能性があります。たとえば、一人薬剤師の店舗で制度を利用しようとしても、なかなか理解が得られず、働きづらくなるかももしれません。そのため、企業が制度を導入していたとしても、利用できる環境かどうかを見極めておくことが大切です。
薬局では時短勤務の制度を利用しているのに帰れないという声もあります。時短勤務者の退社時間は15~17時が多い傾向ですが、仕事帰りの患者様が夕方に薬局へ来るため、夕方以降は混みやすい時間帯です。混み合うため帰るのを遠慮してしまう、混雑により仕事が終わらずに帰れないということもあるでしょう。
短時間勤務制度では「従業員から申し出があった場合は、短時間の勤務制度で働く従業員には所定外労働(残業や早出)はさせないこと」と決められていますが、中小企業や個人薬局では理解を得られないケースもあるようです。
転職直後は利用できない
基本的に、短時間勤務制度は入社後1年を経過していないと利用できません。転職してすぐに利用できないため、しばらくはフルタイムで働く必要が出てくるでしょう。
時短勤務の導入が多い職場は?
大手ドラッグストアや調剤薬局チェーン
大手薬局は薬剤師の雇用が多いため、子どもを持つ薬剤師が多数勤務しています。ママ薬剤師が仕事と育児の両立に苦労しているため、会社全体の問題として考えている企業が多い傾向があります。そのため、産休・育休だけでなく、短時間勤務制度を導入する企業が多く、半日または2時間勤務といった勤務形態を選択できるなど、臨機応変に対応してもらえることもあるようです。
法律で定められた基準以上の充実した体制を設けている薬局が多いのが魅力です。大手ドラッグストアや調剤薬局チェーンは、インターネットなどを利用したシステムで勤怠管理を行うことがほとんどで、時短勤務の仕事をフォローしやすいのもポイントです。
中小薬局や個人薬局
中小薬局や個人薬局には時短勤務制度がないことがあります。一人ひとりの仕事の負担が大きい職場であればあるほど、労働時間の短縮は難しくなります。仕事と育児の両立に不安がある場合は上司に相談しましょう。
薬剤師が退職すると人材確保のために新しい人を採用しなければならず、採用した薬剤師の育成には時間と費用をかけなければなりません。そのため、時短勤務を認めて働き続けてもらった方が効率的だと考え、必要に応じた時短勤務を認めてもらえる可能性があります。
時短勤務の求人を見つける方法
インターネットを活用する
気になる企業や薬局がある場合は、企業の公式サイトをチェックしてみましょう。採用情報を詳しく掲載している企業なら、勤務条件や福利厚生などについて詳しく記載されています。企業独自の内容が載っていれば、職場の雰囲気がイメージしやすくなるでしょう。また、SNSなどのクチコミを検索するのもおすすめです。
ハローワークで探す
ハローワークは厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関であり、仕事を探している人や求人事業主に、さまざまなサービスを無償で提供しています。全国の薬剤師求人が掲載されており、誰でも気軽に利用できます。
人脈を活用する
気になる企業や薬局で知人が働いている場合は、職場の雰囲気や福利厚生などを聞いてみましょう。インターネット上ではわからない情報を手にいれることができるかもしれません。
転職エージェントを活用する
薬剤師向けの転職エージェントを活用するのもおすすめの方法です。企業の情報に精通しているエージェントを利用すれば、短時間勤務制度や子育て支援制度、福利厚生など、さまざまな情報を得られます。一人ひとりの状況に合わせて適切なアドバイスをしてくれる可能性も高いです。
時短勤務を希望するなら「アプロ・ドットコム」の利用がおすすめ!
転職エージェントのなかでおすすめなのが、薬剤師専門の求人エージェントである「アプロ・ドットコム」。薬剤師の転職・キャリア支援に特化した専任のキャリアアドバイザーが、子育て・家庭の事情に合わせた働き方を提案します。
パートや派遣なら1日4時間、5時間などの短時間勤務ができる求人も豊富に用意しています。「将来は時短勤務にして子育てと両立しながら働きたい」「今の職場に制度がない」「もっといい条件の職場に転職したい」と思っている人は、ぜひアプロ・ドットコムにご相談ください。