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薬剤師のライフスタイル

2024.12.19

薬剤師の転職&キャリアアップ・4つのルートと将来像

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薬剤師として転職を考えている人のなかには、キャリアアップにつながる転職をしたいと思う人もいるでしょう。一方、今まで薬剤師として働いてきたけれど、「自分にキャリアアップは関係ない」と、先々についてはあまり考えていなかったという人もいるかもしれません。そんな人にとっても、転職は自分の今後のキャリアを見つめ直すチャンスです。

今回は、将来について考え始めた薬剤師の方に向けて、キャリアアップのルートを4つ紹介します。キャリアアップに必要なこと、転職の際に注意したいポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

薬剤師のキャリアアップの道

薬剤師にはさまざまなキャリアアップの道があります。今回は、「管理薬剤師」「マネジメント」「専門性」「好待遇」に着目し、それらをふまえた4つの選択肢を紹介します。

管理薬剤師をめざす

薬剤師のキャリアアップの一般的なルートとして、薬剤師から管理薬剤師など専門人材、その後は薬局の店長やエリアマネージャーというものがあります。管理薬剤師になるためには、薬剤師以外の資格は必要ありません。ただし、原則として薬局での5年以上の実務経験が求められます。

調剤薬局やドラッグストアの管理薬剤師は、処方箋の調剤や患者様への服薬指導、若手薬剤師の教育、ほかの薬剤師のマネジメントなど、さまざまな業務を担当します。大変な面もありますが、現場の責任者として従業員を導きながら仕事に取り組めることに、大きなやりがいを感じる人が多いようです。

一方で、製薬会社の管理薬剤師の主な仕事は、薬の品質管理です。従業員のマネジメントも行うこともありますが、処方箋の調剤や服薬指導、薬歴管理といった業務を直接担当することはありません。調剤薬局やドラッグストアとの大きな違いは、患者様と直接関わる機会が少ないことです。

個々の患者様とは関わらないものの、自分たちで作り上げた医薬品が全国で使われるため、多くの患者様に貢献できるのが魅力といえるでしょう。製薬会社の場合も、調剤薬局やドラッグストアと同じく、管理薬剤師として経験を積み、スキルを磨いたあとはエリアマネージャーをめざすことができます。

管理薬剤師になるメリットは、管理職としてのマネジメント経験を積めることです。売上や在庫管理、従業員のマネジメントを経験することは安定した職を得ることにもつながりますし、独立をめざしている薬剤師にとってもいい経験となるでしょう。

マネジメントスキルを磨いてエリアマネージャーになる

管理薬剤師として実績と経験を積み、マネジメントスキルを磨いていけば、いずれエリアマネージャーをめざすことができます。エリアマネージャーは、チェーン展開している調剤薬局やドラッグストアなどで、複数の店舗や薬局の管理を担当する役割を持っています。

ドラッグストアの店舗では、店長経験のある人が就任するのが一般的です。企業規模が大きければ、採用人事・労務管理・教育部門など多種多様なキャリアをめざせます。調剤薬局の場合、複数店舗を運営する企業なら、本部社員として薬局の運営や新規開局に携わることも夢ではありません。

そのほか、在宅薬剤師のキャリアを歩む人もいます。自分の薬局を持つために独立する道もめざせるため、将来的に経営者になるというキャリアプランの実現も可能です。また、製薬会社にもエリアマネージャー職は存在しています。一般的に、MRなどの営業職から支店管理を経て就任することが多いでしょう。

エリアマネージャーは、高い年収に加えて、経営と現場の両方の視点で業務に関われるのがメリットです。

専門資格を取得する

薬剤師のキャリアアップとしておすすめなのが、専門資格を取得することです。ここでは、認定薬剤師と専門薬剤師の2つの資格について解説するので、資格に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

【認定薬剤師】

認定薬剤師は、医薬品に関する知識やスキルが一定以上あることを認定する資格です。研修や講座を受講し、試験に合格することで資格を取得できます。認定薬剤師の資格は3年ごとに更新しなければなりません。

認定薬剤師にはがん薬物療法認定薬剤師、感染制御認定薬剤師、研修認定薬剤師など多くの種類があり、その数は何と20以上。ぜひ自分の興味のある分野の認定薬剤師をめざしてみてはいかがでしょうか。また、「かかりつけ薬剤師」になる要件として研修認定薬剤師の取得が含まれているため、かかりつけ薬剤師としてキャリアアップしたい人は取得しておく必要があります。

【専門薬剤師】

専門薬剤師は、認定薬剤師よりもさらに高度な知識やスキルがあると認定する資格です。認定薬剤師の資格を取得している人がめざせる資格であり、資格によっては試験や研修だけではなく、実務経験が求められます。専門薬剤師の資格は5年ごとに更新しなければなりません。

専門薬剤師は調剤業務だけではなく、医療チームの一員として医療の最前線で活躍できる資格であり、ほかの医療スタッフに指導することもできます。専門薬剤師として実務経験を積みながら、論文や学会発表、最先端の薬物療法の研究、薬剤師の指導を行うことで、将来的に高度専門薬剤師をめざせるのも魅力です。

高年収の求人を探して転職する

キャリアアップといっても、すぐに具体的なキャリアプランを考えられるとは限らないでしょう。現時点でめざす方向性が決まっていない場合は、現在の職場の給与に比べて高年収の求人を探して転職するのもおすすめです。キャリアアップは簡単にいうと、高い能力を身につけて経歴を高めること。そのため、高年収の求人に転職することで、自分が思っているよりも幅広いキャリアをめざせる場合もあるでしょう。

薬剤師の年収は職場によって大きく異なります。平均年収は高い順に、ドラッグストア575万円程度、調剤薬局560万円程度、企業勤務527万円程度、病院勤務508万円程度となっています。年収アップしたい場合は、給与の高い職場を選ぶのもひとつの方法です。また、ほかの業種と違って、薬剤師の年収は首都圏より地方のほうが高い傾向があります。

薬学部も薬剤師人口も多い首都圏は、薬剤師が充足しやすいため、高年収・高時給の求人の比率は低くなりがちです。一方、薬剤師が少ない地方は、薬局の経営者が「高い給与を払ってでも働いてほしい」と考え、好待遇で募集するケースも少なくありません。働く地域にこだわらない人は、人手不足を解消するべく高収入の求人を出している地方の求人を探してみるのもおすすめです。

薬剤師のキャリアアップに必要なこと

ここまで、薬剤師のキャリアアップの方法を4つ紹介しましたが、実現するためには具体的に何をしたら良いのでしょうか。成功させるためには、まず自分がどんな薬剤師になりたいかを決めることが大切です。自分の薬剤師としてのあり方、目標など、キャリアプランを明確にしてみましょう。年齢、業務内容、役職、年収、家族構成・現状のほか、10年後、20年後の自分を想像してみると、キャリアプランを立てやすくなります。

キャリアプランの立て方

ここからはキャリアプランの立て方を3つ紹介します。

まず、今までの自分のキャリアを振り返ってみましょう。自分の持っているスキル、取得資格、得意分野など、自分自身の強みを具体的に棚卸し、自己分析をします。得意分野だけでなく、未経験の領域、苦手な分野など、今後勉強したいことを把握しておくことも大切です。

「10年後、20年後の自分を想像できない…」という人もいるかもしれません。その場合は、ざっくりとしたイメージを思い浮かべてみましょう。「専門薬剤師として患者様と親身に関わりたい」「後輩薬剤師の育成をしたい」「薬局の運営に関わりたい」などで構いません。ポイントは、中長期的な目線で考えることです。

中長期的な目標ができたら、次は半年〜1年でめざすゴールを考えてみましょう。将来の自分の希望を実現するために、現時点で不足している分野を把握することが大切です。いつまでに何をするのか、半年~1年ごとのキャリアプランを具体的に立てれば、今自分が何をすべきなのか見えてきます。できるだけ具体的に目標設定することで、着実にステップアップができるでしょう。

転職でキャリアアップをするための注意点

次に、転職でキャリアアップをめざす際に注意すべきことを紹介します。

管理薬剤師候補の求人をチェックする

薬剤師として働いている人が、管理薬剤師、エリアマネージャー、薬局長など、管理職をめざす場合は、管理薬剤師候補の求人をチェックすることから始めましょう。マネジメント未経験の薬剤師が管理薬剤師へ転職するのは難しいですが、管理薬剤師候補なら採用される可能性が高まります。


現在管理薬剤師として働いている場合は、企業規模の大きいところに転職するのもおすすめです。個人経営の薬局で管理薬剤師を経験していた場合、次の中小規模の薬局ではエリアマネージャー、さらに大手チェーン薬局に転職して全国統括のマネージャーをめざすのもいいでしょう。マネジメントスキルは、年収アップには欠かせません。ぜひチャレンジしてみてください。

支援・研修制度が充実している企業を選ぶ

薬剤師としての専門性を高めていきたい場合は、資格支援制度やスキルアップ研修が充実している企業を選ぶとよいでしょう。前述した認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得をサポートしてくれる企業もおすすめです。

薬剤師のスキルアップ研修には、コミュニケーションや薬事系の講座などさまざまなものがあります。たとえば、コミュニケーション研修、 フィジカルアセスメント研修、 在宅医療研修、調剤過誤防止研修、大学病院実務研修などが当てはまります。ただし、研修が充実していれば良いというわけではありません。大切なのは、その研修が自分に必要なのかどうかなので、目的を見極めたうえで企業を選ぶことが重要です。

経営のノウハウを学べる中小規模の薬局を選ぶ

キャリアアップするためには、大手薬局を選べばいいと思っていませんか。実は、キャリアアップの目的によっては、大手の薬局チェーンではなく、中小規模の薬局を選んだほうがいいこともあります。

たとえば、中小規模の薬局は大規模チェーンとは違い、経営者とコミュニケーションを取れるところもあります。管理薬剤師やエリアマネージャーになると、経営に携わるチャンスを得られるかもしれません。診療報酬の改定をふまえた事業計画の策定や、薬剤師の人材管理など、将来の独立に必要なことが学べる薬局もあります。既に独立を考えている人は、薬局経営のノウハウを学べる企業を選びましょう。

薬剤師としてのキャリアプランを採用担当者に伝える

転職で薬剤師としてのキャリアプランを実現するためには、採用担当者に自分のキャリアプランを伝えておくことが大切です。面接では、将来のキャリアのイメージや身につけたいスキルなどを積極的に採用担当者に伝えましょう。

完璧なキャリアプランを描いたとしても、叶えられない転職先では意味がありません。転職する前に、そのキャリアプランが実現できそうか採用担当者に確認しておくようにしましょう

転職でキャリアアップしたい人は「アプロ・ドットコム」にご相談を

今回は、薬剤師の転職におけるキャリアアップの方法として、4つのルートを紹介しました。とはいえ、ひとりで良い転職先を探すのはなかなか難しいものです。
「アプロ・ドットコム」は薬剤師専門の人材サービスを展開しており、正社員、派遣社員、パート・アルバイト、単発派遣など、多様な働き方の求人を数多く取り扱っています。

薬剤師の転職をサポートした実績が豊富なキャリアアドバイザーが、今後のキャリアプランや希望条件をお聞きして、最適な求人を紹介します。将来の働き方に不安がある人、履歴書や職務経歴書の書き方がわからない人、もっと大きな薬局に転職したい人など、さまざまな相談に個別に対応しています。

もちろん、先々のキャリアについてアドバイスがほしい人、転職しようかどうか迷っている人のご相談も受け付けています。ぜひお気軽に、アプロのカウンセリングを受けてみてください。