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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。

薬剤師の仕事・キャリア

2024.12.16

パート薬剤師のメリット比較!調剤薬局VSドラッグストアはどっちがいい?

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パート薬剤師として働こうと思ったとき、どんな会社や職場が自分に合うのかわからず、仕事探しを続けるのを躊躇する人もいるでしょう。「パートの薬剤師なら、どこで働いてもそんなに変わらないのでは?」と思っている人もいるかもしれません。しかし実際は、働く職場によって仕事内容や給与、やりがいなどは大きく異なります。

この記事では、パート薬剤師における調剤薬局とドラッグストアの仕事内容と役割、給与、働き方などの違いを解説します。それぞれの特徴を押さえて、自分にぴったりな職場選びの参考にしてください。

仕事内容と役割

まずは調剤薬局とドラッグストアの仕事内容と役割、メリットを紹介します。

調剤薬局

調剤業務、服薬指導、薬歴管理、健康相談、在宅医療業務などがあります。ひとつずつ見ていきましょう。

・調剤業務

調剤業務は、医師が発行した処方箋の内容をもとに患者様の薬を調剤することです。薬剤師は、患者様の症状と医師が発行する処方箋に違いがないか確認しなければなりません。重複処方があったり、アレルギーなどの問題が見つかったりした場合は、医療ミスを防ぐために、処方した医師に連絡して内容が正しいかを確認します。

・服薬指導

服薬指導は、薬を処方する時に患者様に薬の情報を説明することです。服薬方法とともに保管方法や服用するにあたっての注意ポイントも伝え、患者様の同意をもらいます。患者様にわからない点や不安点があった場合に、適切なアドバイスを行うのも薬剤師の役割です。

・薬歴管理

薬歴管理は、患者様の薬剤服用歴の情報入力・管理をすることです。患者様に新しい薬を処方する際には、服薬状況や服薬歴、副作用歴、アレルギーなどを調べなければなりません。また、調剤薬局は健康組合に調剤報酬請求を行いますが、薬剤服用歴の情報が間違っていると報酬請求を行うことができません。

・健康相談

健康面に関する相談を受けた場合は、一人ひとりに適切なアドバイスを行います。処方箋が不要なOTC医薬品の場合、どの商品が患者様に合っているかを判断して提供します。

・在宅医療業務

薬剤師が患者様の自宅に訪問し、処方箋に応じた医薬品の提供、服薬指導などを行うことを在宅医療業務といいます。今後も自宅療養する患者様が増加すると予想されているため、在宅医療業務も増えていくでしょう。薬剤や服薬に関する情報は、ほかのスタッフや福祉関係者にも共有するため、さまざまな人と連携する力が求められます。

・調剤薬局で働くメリット

調剤薬局では、専門性が高い薬剤師ならではの業務を行えるのがメリットです。最新の医療用医薬品の知識が深まるのもポイントのひとつといえるでしょう。調剤薬局で働く薬剤師は、患者様とコミュニケーションを取ることが多いため、直接「ありがとう」と感謝される機会も多いのもうれしいところです。

ドラッグストア

OTC医薬品の販売、接客やレジ打ち、在庫管理、陳列、健康相談業務などがあります。

・OTC医薬品の販売

ドラッグストアは「店舗販売業」に分類されているため、医薬品や化粧品を中心に、健康と美容の商品、日用品、加工食品などの「販売」がメインになります。調剤を併設していないドラッグストアでは、処方箋が不要な医療品を販売します。

そのため、お客様の悩みや不安、健康状態などをヒアリングし、最適なOTC医薬品を提案するのが基本です。医療品だけでなく、サプリメントや衛生用品などを提供することもあります。近年調剤併設のドラッグストアが増えており、その場合は調剤薬局と同じように調剤や服薬指導などを行います。

・接客やレジ打ち、在庫管理、陳列

ドラッグストアでは、商品補充や接客、レジ打ち、在庫管理、陳列、POPの作成といった売場づくりなどを行うこともあり、仕事は多岐にわたります。医薬品だけに限らず幅広い商品をお客様に提供しているため、さまざまな業務を経験したい人に向いています。

・健康相談

一定の条件を満たした場合に年間のOTC医薬品の購入額が所得から控除できる「セルフメディケーション税制」が2017年に導入されました。その結果、健康を管理するためにサプリメントや健康食品などを求めるお客様が増えています。

健康に不安を抱えるお客様への悩みや症状を聞き、適切な商品を提案したり、必要に応じて医療機関への受診を勧告したりするのも仕事のひとつです。

・ドラッグストアで働くメリット

ドラッグストアでは、調剤、販売、店舗運営など、専門性を活かしながら幅広い業務を経験できるのがメリットです。処方箋がないからこそ、OTC医薬品の専門家としてキャリアを積めるといえるでしょう。

将来的に正社員になりたい人や、キャリアアップしたい人、転職してスキルをアピールしたい人は、売場経験をアピールできます。また、大手のドラッグストアでは、研修制度が充実している企業が多いため、ブランクありの人も安心して働けるでしょう。

給与

令和5年賃金構造基本統計調査によると、パートやバイトなどの短時間勤務の薬剤師の平均時給は2,832円。パート薬剤師の時給は最低1,500円程度、最高3,000円程度といわれています。働き方や企業規模、地域などによっても時給は大きく異なります。ここからは、調剤薬局とドラッグストアの給与の違いを見ていきましょう。

調剤薬局

調剤薬局の時給は、2,000~2,500円程度といわれています。多くの薬局は2,000円を超える時給で募集されており、待遇が良いところだと2,300~2,500円のところもあります。時給を上げたい場合は、6ヶ月以上働いてから交渉してみるとよいでしょう。

薬剤師としての資格だけではなく、これまでの経験や専門的な知識をアピールするのもおすすめ。また、管理薬剤師などの新たな資格を取得した場合も交渉が可能です。

ドラッグストア

ドラッグストアの時給はおおよそ2,000~3,000円といわれており、調剤薬局と比べて時給が比較的高い傾向です。一方で、2,000円を下回る1,800円程度の募集もあるなど、店舗によって金額が大きく異なるので注意しましょう。土日や夜間など、時給が高い時間に働くと収入を増やすことができます。

働き方

正社員とは異なり、パートは働く時間などを自由に選ぶことができるのが魅力です。ここからは、調剤薬局とドラッグストア、それぞれの働き方を解説します。

調剤薬局

調剤薬局は、近くの病院やクリニックの診察時間に合わせて営業していることがほとんどです。店舗によって勤務時間は異なりますが、基本的に平日の日中勤務になることが多いでしょう。平日が一日休みになる薬局もあります。

朝8時から9時に開局、17時から18時に閉局することが多く、その時間内に働くのが基本なので、プライベートが確保しやすい職場といえます。ワークライフバランスが整っている職場で働きたい薬剤師におすすめです。ただし、夜の診察に対応している病院が近くにある場合は夜間がシフト制になることもあります。

ドラッグストア

ドラッグストアは土日祝日も営業している店舗が多く、定休日がない店舗もあります。24時間営業の店もあるなど営業時間が長いため、ほとんどがシフト制になっています。

定休日がなかったり、営業時間が長かったりすることから自由に働けないイメージを持つかもしれませんが、一概にそうとはいえません。なぜなら、スタッフの数が多いため、働く時間を調整しやすいためです。

営業時間が9時ごろから22時ごろまでと長いところが多く、日中以外の時間でも働くことが可能。フルタイムの場合、9時から18時の早番、13時から22時の遅番などのシフト制になることが多いでしょう。

遅い時間はひとり薬剤師体制となる可能性もありますが、パートの場合は、土日休み希望、早番のみに対応してもらえることもあります。融通が利きやすいため、プライベートとの両立もしやすいでしょう。

必要なスキル

ここからは、調剤薬局とドラッグストアにどんなスキルが必要なのかを紹介します。

調剤薬局

・情報収集力

薬剤師には、最新の医薬品や医療について調べられる情報収集力が求められます。未知の病気が現れたときなどに、病気や疾患に対応できるように情報収集を行い、何ができるかを検討する能力が必要だからです。また、患者様から質問された時に、すぐに答えられるように医薬品や医療に関する情報を常にアップデートしておく必要があります。

・コミュニケーション力

調剤薬局では患者様に直接応対するため、コミュニケーション力が必要です。薬を処方する際には効果や副作用、服用方法についてわかりやすく説明する力が求められます。また、服用している薬や既往歴、アレルギーなどの情報をしっかりと聞き出す力も必要になるでしょう。

・専門知識をアップデートする力

薬物療法は高度になり、日々進化しています。そのため、薬剤師には薬物療法に関する専門知識のアップデートが求められます。調剤薬局の薬剤師は、患者様に医薬品の情報を適切に助言できるように、専門的な知識を身につけていく必要があります。

・寄り添う姿勢

かかりつけ薬局の推進や在宅医療の需要が高まっていることから、一人ひとりの患者様に寄り添う姿勢が求められています。処方箋通りに医薬品を処方するだけではなく、患者様の悩みや不安をしっかりと聞くことができることが大切です。そのうえで、専門的な知識で解決につながるよう薬の処方やアドバイスをします。

ドラッグストア

・販売スタッフである意識

ドラッグストアで働く薬剤師は、小売業の販売スタッフでもあります。そのため、お客様からの相談に応じるだけでなく、医薬品や健康食品、日用品など数々のアイテムを把握していなければならず、在庫管理をする必要もあります。全ての商品について新しい情報を仕入れ、お客様に説明できるようにしておくことが求められます。

・コミュニケーション力

調剤薬局と同じく、ドラッグストアの薬剤師にもコミュニケーション力は欠かせません。ドラッグストアの薬剤師には要指導医薬品や第一類医薬品などの市販薬やサプリメントなど、健康に関わる商品を提供する役割があるため、症状や悩みをうまく聞き出し、一人ひとりに合う商品を提案するためのコミュニケーション力が必要です。

・貢献力

接客態度が店舗の評判に影響するため、丁寧で親切な対応をし、「この店舗をまた利用したい」と思ってもらえるように努めることが必要です。ドラッグストアには、販売スタッフやビューティーアドバイザー、栄養士、アルバイトなど、さまざまな職種・雇用形態の人が働いています。一人で働くのではなく、複数のスタッフと連携して働いていることを意識し、店舗の評判や売上に貢献することが大切です。

希望条件によって優先すべき職場は変わる

薬剤師として働くといっても、調剤薬局とドラッグストアではさまざまな点に違いがあることを紹介しました。希望条件によって選ぶべき職場は異なるため、まずは自分が希望する条件が何か、明確にすることが重要です。パートとして働いた経験は将来的にも活かせるので、今後、どのように働いていきたいかも考えておくとよいでしょう。

調剤薬局に向いている人

調剤薬局では、調剤に特化した働き方ができます。また、スピードよりミスをしないことを優先する人に向いています。事務処理能力が高い人や責任感のある人にもぴったりです。そのほか、少人数の職場で働きたい人はドラッグストアよりも調剤薬局のほうが落ちついて働くことができるのではないでしょうか。

ドラッグストアに向いている人

ドラッグストアは接客がメインになるため、初対面でも明るくコミュニケーションをとれる人が向いています。また、販売や品出し、レジ打ちなど、薬剤師業務以外の仕事に抵抗がないことも重要です。そのほか、運営業務に興味のある人や土日祝の勤務が平気な人にもおすすめです。なお、高時給で働きたい場合はドラッグストアを選ぶと良いでしょう。

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