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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。
薬剤師の仕事・キャリア
2024.06.17
正社員転職を考える薬剤師は調剤薬局・ドラッグストアの現状と今後を知っておこう
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薬剤師の仕事は正社員の他にも派遣やパートなどさまざまな働き方があります。ライフステージの変化でパート薬剤師として働いている人、薬剤師の仕事をお休みしている人、正社員で働いているけれどそろそろ違う環境に移ってスキルアップしたいと考えている人もいるでしょう。
どんな状況でも正社員転職を考えるなら、薬剤師を取り巻く環境について知ることがキャリアプランを考えるヒントになるかもしれません。今回は多くの薬剤師が働く「調剤薬局」と「ドラッグストア」についてレポートします。
目次
調剤薬局・ドラッグストアの現状
薬剤師の半数以上が働いているといわれる調剤薬局とドラッグストア。現在、薬局業界の環境が大きく変わる過渡期に入っています。
・店舗数が飽和状態に
近年、調剤薬局と調剤薬局を併設したドラッグストアの数は増加の一途を辿っています。そのため調剤薬局、ドラッグストア共に飽和状態にあるといわれています。続々と新店がオープンしていく中、経営難に陥っている薬局も増えている状況です。
・地方の薬剤師不足が深刻化
地方や離島、郊外など都市部以外での薬剤師不足が深刻化しています。厚生労働省の令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計によると、沖縄県、福井県、青森県では人口に対する薬剤師の数が非常に少ない状況です。統計上では十分な人数がいるはずの東京都など大都市においても、中心部では十分な人数が確保できるものの、郊外では薬剤師の確保が難しいのが現状です。
・医療費削減のための調剤報酬改定
高齢化社会が進む中、医療費も増加を続けています。今後さらに高齢人口が増えていくことが予想されており、国は医療費削減のためにさまざまな政策を打ち出しています。2年に一度改定される調剤報酬にもその影響は大きく反映されることに。そのため、従来通りに医師が発行した処方箋による調剤、服薬指導、薬歴管理、必要な時に疑義照会などをする「対物業務」をメインにしていては利益を上げることができなくなりつつあるのが現状です。
調剤薬局・ドラッグストアの今後
調剤薬局は医療機関の処方箋調剤を行うだけでは生き残れない状況になってきました。ドラッグストアは立地や営業時間の長さなど利便性を活かすため、調剤室を併設し薬剤師を常駐させる店舗が増える見込みです。さまざまな業態の薬局が生き残り、発展するためにどのような方向に進んでいくのでしょうか。
・「対人業務」の増加
平成27年に厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」。これにより、薬剤師の業務は、調剤して患者様に薬を渡すまでの「対物業務」から、薬を飲んだ後まで継続的にサポートをする「対人業務」に変わっていくべきだと道が示されました。その影響もあり、「在宅薬剤師」「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」など地域医療のため、地域住民のための業務が増えており、今後の鍵となるでしょう。
・在宅医療への参入
高齢者の増加に伴い自宅療養をする人が増えています。自宅療養するためには「在宅医療チーム」のサポートが不可欠です。在宅医療チームは医師を中心とし、看護師、医療ソーシャルワーカー、介護士、ケアマネジャーなど多様なスペシャリストによるもので、その中で薬剤師は「在宅薬剤師」として患者様のケアにあたります。在宅医療は医療費削減の観点からも推奨されており、「在宅薬剤師」業務は今後増加が確実と考えられています。薬局にとっても重要な業務ひとつになるでしょう。
・「かかりつけ薬局」と「かかりつけ薬剤師」
従来、調剤薬局といえば病院前の門前薬局がほとんどだったため、医療機関で受診するたびに違う門前薬局で処方を受ける人が多くいました。しかし、そのやり方では診療科を横断して総合的に患者様のことを見守る専門家がいません。重複投与や飲み合わせ、残薬管理などの薬剤情報を1つにまとめて把握し、サポートするのが「かかりつけ薬局」と「かかりつけ薬剤師」です。
在宅医療を受けている人には必須の仕組みですし、高齢化が進む中、自分で薬剤を管理するのが難しい人にも頼もしい体制でしょう。「患者のための薬局ビジョン」において、すべての薬局がかかりつけ薬局になることをめざすという指針が発表されているため、「かかりつけ」としての業務は今後必須になるでしょう。
・デジタル化とデジタル技術の活用
薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)などといわれる薬局のデジタル化。デジタル技術を活用し、業務の効率化を行うことで薬剤師が「対人業務」に集中できるようにします。すでにデータのクラウド管理や電子報告書の作成、電子薬歴、電子処方箋などさまざまなICTツールが活用され始めています。ICTツールを使いこなすことは、薬剤師にとって必須のスキルになるでしょう。
・オンライン服薬指導の増加
パソコンやスマートフォンのビデオ通話など、ICTツールを利用して服薬指導を行うのがオンライン服薬指導です。導入当初は医療過疎地に限定していましたが、令和4年から規制が緩和され、要件を満たせば誰でも利用できるようになりました。薬局が身近なエリアにない人以外にも、移動する必要がないこと、待ち時間が少ないことなど多くの利点があります。本格的に導入している薬局はまだ少ないですが、今後発展していく可能性は非常に高いでしょう。
今後を見据えたキャリアプランを考えよう
新しい法律や条例、新しい仕組み、新しい技術の台頭により、薬剤師を取り巻く状況も常に変化しています。転職の際には、求人を探す前に今後どんな業務が主流になっていくのか、どんなスキルが必要なのか、さまざまな情報を集めてからキャリアプランを考えると良いかもしれません。
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